平成1724日目
1993/09/27
この日のできごと(何の日)
【羽田空港】新ターミナルビル開業
東京の空の玄関・羽田空港の新しい旅客ターミナルビルが27日、オープン、午前7時前には同ビルを利用した国内便客を乗せた航空3社の第一便が札幌や福岡へ向け飛びたった。
新ターミナルは地上6階、地下1階。延べ床面積は29万1500平方メートル。総工費は1300億円。旧ターミナルビルの約3倍の広さで、出発は2階を利用、到着は1階と分かれ便利になった。中央部2階から6階は自然光を取り入れた吹き抜け空間で、噴水もあり高級ホテルにいるのでは、と錯覚するほどの豪華さ。
2階出発カウンターは北側から全日空、日本航空、日本エアシステムと航空会社別に並び約500メートル。搭乗手続き後、会社別の出発ロで手荷物検査を受け、大型機を中心にボーディングブリッジで機内へ入ることができ、旧ターミナルよりずっとスムーズ。一部の便は従来通りバスで駐機場に向かう。
約5キロ延長された東京モノレールの始発も5時40分すぎ、羽田空港駅に到着。首都高速湾岸線や環状8号線も午前5時、開通した。国際線ターミナルは現在のビルが使われる。
ターミナルのオープンに併せて高さ78メートルの新しい管制塔も運用を始めた。新しいターミナルの開業は羽田空港沖合展開計画の一環。同計画は、羽田空港を全体的に沖側に移転するもので、増加する国内航空需要に対応し、騒音問題を解決するのが目的だ。新A滑走路(3000メートル)が既に昭和63年7月に使用開始。平成11年度までに新C滑走路(3000メートル)、横風用の新B滑走路(2500メートル)の2本が完成し年間23万回発着できる予定。《共同通信》
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【プロ野球・広島】来季監督に三村敏之氏
プロ野球広島球団は27日、広島市内のホテルで、来季監督に同球団の三村敏之二軍監督(45)の昇格を正式に発表した。契約期間は1年。契約金は2000万円、年俸は4000万円。
三村監督は、濃いグレーのスーツで松田耕平オーナーとともに記者会見。「選手と一緒に体を動かし、一緒に悩める監督になり、それぞれの長所をつなぎ合わせた野球をしたい」と抱負を語った。
コール陣については調整中。「後日、発表したい」と明言を避けたが、チーフ兼打撃・コーチに球団OBの山本一義氏(55)=野球評論家=招へいが確実のほか、山崎隆造外野手(35)の一軍守備走塁コーチ、横浜の長内孝内野手(36)の二軍打撃コーチ就任がそれぞれ濃厚となっている。今季の一軍スタッフでは、山本監督と水谷チーフ兼打撃コーチの退団が既に決まっている。
広島の監督問題は、山本一監督が9月初めに辞任を申し入れたために持ち上がり、16日に了承した後、球団が三村二軍監督に非公式に就任を要請、21日に受諾の回答を得た。新監督はコーチ、二軍監督を通じて培ってきた野球理論の豊かさと指導力で球団の評価も高い。球団の速やかな対応からして今回の起用は既定の路線とみられる。新監督の始動は11月初旬の宮崎・日南秋季キャンプとなる。(金額は推定)《共同通信》
【政界談話室】
○…27日午前、国会内で開かれた連立与党代表者会議の主役は、初登場の社会党の久保亘新書記長。赤松前書記長に伴われて部屋に入り、公明党の市川書記長らとがっちり握手を交わして無言で着席。「いろいろ、お世話になりました」と各党代表に頭を下げ通しの赤松氏とは対照的に、貫録十分なところを見せつけた。しかし、隣の新生党の渡部代表幹事代行が、久保氏の耳元で「一番最初の仕事にはまず、自衛隊法(改正)をやってもらわなくては」とささやくと、途端に渋い顔に。
○…この日、各党をあいさつ回りした村山社会党新執行部。自民党本部では次のような会話。河野自民党総裁「2カ月に2回党大会をやらなくちゃならず、大変ですよ。これまで宮澤さんの残任期間だったことですし」、久保社会党書記長「こちらも山花さんの任期になっているんですよ」、大出同党副委員長「お互いに苦労が尽きないね」、河野総裁「お互いに大変な時期だから頑張りましょう」、村山委員長「道を歩いていると、大変だが、頑張ってください、とよく言われる。やります」と答えていますよ」。自民、社会両党の混乱ぶりが象徴されるよう。《共同通信》
【熊谷弘通産相】経団連と懇談
熊谷通産相と経団連との懇談会が27日午前、都内のホテルで開かれた。この中で、経団連側は、日米間の最大の懸案になっている経常収支の不均衡是正問題について「日本が黒字削減の強い決意を、分かりやすい形で示すことが必要だ」(豊田章一郎副会長)と述べた。米国は、日米包括協議で黒字削減の数値目標設定を求めているが、経団連として黒字削減の努力目標を自主的に示すべきだとの考えを表明したのは初めて。
懇談会には、通産省側から通産相、次官、局長らが、経団連からは平岩会長、各副会長らが出席した。豊田副会長は、日米関係について「米側には、併せて(決意は)中長期の努力目標であり、約束ではないことを言うべきだ」として、対米公約とはならない、日本の自主的な努力目標とすべきだと指摘した。《共同通信》
【細川護熙首相】米・クリントン大統領と会談
細川首相は27日午後、ニューヨーク市内のホテルで約1時間15分にわたりクリントン米大統領と初の首脳会談を行った。その結果、両首脳は日本の大幅出超となっている対米貿易黒字削減に協調して取り組むことで一致。
同時に首相は「政府税調に所得税減税も含め直接比率など総合的検討をお願いしている」と述べ、既に政府が決定した事業規模6兆2000億円の緊急経済政策、規制緩和、経済革命研究会の設置に加え、所得税減税についても前向きに検討していると説明した。新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)については、双方が年内終結に向け努力することを再確認した。
会談で首相は、新政権が進めている政治、経済、行政の三つの改革について説明し「日本だけでなく、世界のために役立つ」と意義を強調した。これに対し大統領は「新政権をできるだけ長くサポートしていきたい」と述べ、首相の改革路線を明確に支持した。
首相は、政治・安保、経済、世界規模の協力から成る日米関係を維持する考えを示した上で「当面、経済が一番大きなテーマだ。7月の日米包括経済協議の枠組み合意を踏まえて(日米間の不均衡是正を)推進したい」と述べた。
この点に関連して、会談に同席したクリストファー国務長官は「政府調達など個別分野で具体的進展が見られない気がする。(11月に予定される)次の首脳会談まで、いい方向に向かうよう願いたい」と期待を表明した。しかし、数値目標には言及しなかった。
首相は新多角的貿易交渉について「日本はコメというデリケートな問題を抱えているし、他の国でも農業は難しい問題がある。これらを理解し合うのが大事だ」と指摘。大統領は「全く同じ認識だ」とし、特にコメ問題には触れなかった。
会談後の共同記者会見で、大統領は緊急経済対策など日本の景気刺激策に歓迎の意向を表明。「日米両国は経済問題でさらに前進を遂げなければならない」と強調した。
また大統領は、日本とドイツの国連安保理常任理事国入りを支持すると改めて言明した。《共同通信》
【アブハジア軍】スフミを制圧
タス通信によると、グルジアからの分離、独立を要求するアブハジア自治共和国の武装部隊は27日、グルジア政府軍が死守していた。自治共和国の首都スフミを完全に制圧した。スフミで指揮を執っていたシェワルナゼ・グルジア最高会議議長は市外へ無事脱出した。グルジア政府側が同自治共和国内の最大の拠点としていたスフミが陥落したことにより、アブハジア紛争は大きな転換を迎えた。
グルジア国防省などによると、アブハジア部隊は同日午後1時(日本時間同7時)までに市内を制圧、自治共和国政府庁舎にアブハジア国旗を掲げた。しかし、戦闘は依然続いている。タス通信は、ロシアのエリツィン大統領がシェワルナゼ議長の脱出を支援するようロシア国防省に命じたと伝えた。
アブハジア自治共和国のグルジアからの独立宣言と、これを認めないグルジア側の軍事介入で昨年8月に始まったアブハジア紛争は、今年7月末、ロシアの仲介で停戦と兵力引き離しに合意した。しかし、その後、シェワルナゼ議長と議会の対立が深刻化、グルジア西部でガムサフルディア前大統領派の武装勢力がほう起。アブハジア側が9月中旬、攻撃を再開した。《共同通信》
【ロシア・エリツィン大統領】同時選を拒否
モスクワ市警当局は27日夜、ロシア最高会議へ押し掛けたエリツィン大統領派の人民代議員を先頭とする約1500人の市民が警備線の内側に入るのを拒否、議会勢力の孤立化作戦を一段と強化した。これに先立ち、大統領は大統領・議会の同時選挙を「断固拒否する」と言明、議会勢力の自己崩壊待つ作戦を明らかにしていた。
一方、最高会議側は同日夜、広場に集まっていた約3000人の群衆に対して「今夜、大統領側からの攻撃はなさそうだ。家に帰って休み、明日の朝また来てほしい」と指示、ほとんど全員が引きげた。群衆の姿が消えたのは、大統領が21日に議会解散を発表して以来初めて。
ウォルコフ大統領府副長官は27日の記者会見で、最高会議では銃600丁が新たに配布されたとし、建物内の衛生状態も悪化しているため建物にいる人々を追い出し、立ち入りを禁止すると述べていた。
議会側の一部勢力などが妥協案として示していた同時選挙を拒否するとの大統領発言については、仲介役を自任するゾリキン憲法裁判所所長が「意外だ」との感想を述べたが、ハズブラートフ最高会議議長、ルツコイ副大統領ら反大統領派の指導者は何の反応も示さなかった。《共同通信》
【国際柔道連盟】カラー柔道衣を否決
国際柔道連盟(IJF)は27日、カナダ・ハミルトンで技術総会を開き、欧州柔道連盟(EJU)が提案した青色の柔道衣導入を1989年総会に続き否決した。投票総数146票で、賛成52票に対し、反対が92票と大きく上回り、無効が2票だった。
EJUは一方の選手にカラー柔道衣を着用させて行われている欧州選手権のビデオを会場で流し「関係者以外の観客に分かりやすくなる。柔道の発展のために必要だ」と訴えた。しかしアフリカやアジアの諸国から「経済的な負担が大きすぎる。逆に競技者が減る」と反対意見が相次ぎ、投票でも大きな差がついた。
4年前のベオグラード総会でEJUが提案した際の投票でも、総数137票のうち賛成は50票だった。2年に1度開くIJF総会で否決されたルール改正案は2度続けて提案できないため、再提案できるのは早くとも97年となる。《共同通信》