平成1561日目

1993/04/17

この日のできごと(何の日)

【国連安保理】ユーゴ制裁強化を決議

国連安全保障理事会は17日深夜(日本時間18日午後)、ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人勢力を支援するユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)に対する経済制裁などを徹底強化する決議を賛成13、反対ゼロ、棄権2(ロシア、中国)で採択した。

ユーゴへの物資流入の停止などを盛り込んだ決議は、セルビア側に対する包括和平案調印への圧力を一段と強めることが狙い。さらに、国際的な和平努力を無視してボスニア東部のイスラム系の町、スレブレニツァに大攻勢を掛けたセルビア人勢力と、その背後に控えるユーゴに対する懲罰的色彩が濃い。

この日の安保理協議にはスレブレニツァをめぐるセルビア、イスラム両勢力の停戦合意調印の報が伝えられたが、英、米、フランスや非同盟諸国で一気に高まった反セルビアの動きに歯止めは掛からなかった。

同じスラブ民族のセルビアへの制裁強化が国内政争へ跳ね返るのを恐れたロシアは、決議採決を国民投票後の26日まで延期するよう要請、最後まで抵抗したが、拒否権行使には至らなかった。

決議は、昨年5月に採択された対ユーゴ経済制裁決議を踏まえ、制裁を徹底強化する方策を規定した。今回の制裁諸措置は包括和平案受諾まで一週間余の猶予期間を置き、ロシアの国民投票にも配慮して今月26日に発効する。

決議は①ボスニア、クロアチア両国のセルビア人支配地域へのユーゴからの物資流入停止②ユーゴへの物資搬入、領内通過の禁止③ドナウ川など河川通航貨物船の臨検徹底④通信、郵便などを除き、ユーゴとのすべてのサービス、取引の禁止⑤ユーゴ在外資産の凍結ーなどユーゴを経済的に外界から完全に遮断する措置を盛り込んでいる。《共同通信》

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【宮澤喜一首相】「日米貿易不均衡是正」目標設定を拒否

宮澤首相は17日、米ABCテレビとのインタビューに応じ、日米間の貿易不均衡是正のため、両国政府間で数量目標を設定すべきだとの声が米政府内で強まっていることについて「政府が介入すると管理貿易になる」と強調、そうした交渉方法を拒否する考えを改めて示した。

首相は日米首脳会談で両国間の経済問題を包括的に協議する機関の設置でクリントン大統領と合意したことを指摘。「大統領が目標設定などの当座しのぎの方策に頼らない協議の枠組みに同意したことを喜んでいる」と述べ、新協議機関では目標設定という手法をとらないことを大統領が了承したとの認識を示した。《共同通信》

【小和田雅子さん】墓参り

小和田雅子さんは17日午前、両親の恒氏(60)、優美子さん(55)とともに墓参りのため新潟市を訪れた。皇太子さまとの婚約決定後、雅子さんが遠出するのは、3月末に水戸市に住む祖父母を訪ねて以来。

雅子さんらは新潟市西堀通十番町にある小和田家のぼだい寺の泉性寺で、先祖の墓に花を手向けた。

薄いグレーのツーピースの雅子さんは詰め掛けた約3000人の大観衆に迎えられて泉性寺に到着し、住職にあいさつ。本堂にお参り後、墓前で手を合わせ、皇太子さまとの婚約を報告した。

3人は午後、新潟市内の親類宅を訪れ同日夕、帰京した。《共同通信》

【ポル・ポト派】SNC残留を強調

カンボジアのポル・ポト派スポークスマン、マク・ベン氏は17日、タイ国境に近い同派の支配地区プノンマライで記者会見し、プノンペン事務所の閉鎖は「安全上の理由」によるものであり、同派は今後もカンボジア最高国民評議会(SNC)にとどまり、パリ和平協定の適正な実施を要求していく方針を明らかにした。

しかし、ベン氏は来月の総選挙は「ベトナムの占領下で非民主的で不公正な状況で強行されようとしている」として、参加しないことを改めて強調した。ポト派による記者会見は、同派が今月11日にプノンペン事務所を閉鎖して以来初めてで、会場には約70人のマスコミ関係者が集まった。

ベン氏は今後のSNC会合については「安全が保障され、静かな雰囲気で議論ができる場所」なら、カンボジアの内外を問わずどこで行われても参加すると述べた。また、同派は今後、SNCのシアヌーク議長が今年3月に提案したカンボジア4派による連合政権構想を支持していく方針を示し、「そのための議題が早く行われるべきだ」と語った。

日本人国連ボランティア、中田厚仁さんが殺害されたことについてベン氏は、「国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の中の悪い人間は、すべての事件をポト派のせいにしようとしている」とだけ答え、同事件へのポト派の関与については直接のコメントを避けた。

また、武力行使による選挙妨害の可能性についても「われわれはパリ和平協定の適正な実施のためにはあらゆる努力をする」と質問をかわした。《共同通信》

【中田厚仁さん】大阪で追悼式

「ありがとうアツ。君のことは一生忘れない」ー。カンボジアで選挙活動監視中に射殺された国連ボランティア、中田厚仁さん(25)の追悼式が17日、大阪府吹田市の千里会館で行われ、友人や国連関係者、市民など約1000人が参列、最後の別れを惜しんだ。

白い菊やカーネーションが供えられた祭壇中央には真っ黒に日焼けした顔でほほ笑む厚仁さんの遺影。ボランティア仲間から贈られたスカイブルーの国連旗とカンボジアの地図が両側に飾られた。

冒頭、国連のガリ事務総長、UNTACの明石康代表からの厚仁さんの若すぎる死を悼むメッセージが読み上げられると、母親の敬子さん(50)と妹の順子さん(23)はしきりにハンカチで涙をぬぐった。

厚仁さんと現地で一緒に活動したマレーシア人のイブラヒム・ガーニーさん(26)ら3人の仲間も「君と苦労した日々はいつまでも忘れない。君の遺志は必ず引き継ぐ」と弔辞を読み上げ、会場からすすり泣きが漏れた。

厚仁さんの友人が作詞作曲した鎮魂歌「すべての平和のために」が流れる中、父親の武仁さん(55)があいさつ。カンボジア語で「オークンチャラー(ありがとう)」と深々と頭を下げた。生前の厚仁さんが現地で活動している姿が映像で映し出され、参列者は白い菊の花を祭壇にささげた。

追悼式の中で武仁さんは、日本国憲法前文の一部を読み上げ「残された遺族としてこの精神を生かして厚仁の遺志を引き継いでいきたい」と気持ちを語った。《共同通信》

【ロドニー・キング氏暴行事件】巡査部長ら2人有罪

昨年4月の暴動の引き金となった黒人青年ロドニー・キング氏暴行事件で公民権法違反に問われた白人警官4人に対し、米ロサンルス連邦地裁の陪審は17日、2人を有罪、他の2人を無罪とする評決を下した。

ステーシー・クーン巡査部長(43)=休職中=は現場責任者として、ローレンス・パウエル巡査(30)=同=は暴行を通して意図的にキング氏の人権を侵害したと認定された。パウエル巡査は罪状の一部が無罪とされた。量刑は後日、裁判官が決めるが、最高刑は禁固10年、罰金25万ドル(約2800万円)。

セオドア・プリシーニョー巡査(40)=同=とティモシー・ウィンド元巡査(32)=事件後、解雇=は無罪とされた。

この事件をめぐっては、当初カリフォルニア州法の暴行罪などで裁判が行われたが、ほぼ全面無罪の評決が出たため、黒人らが激怒。ロサンゼルスで放火、略奪、暴行などが3日間続き、死者53人、負傷者約2400人という米国で今世紀最悪の暴動に発展した。

米司法省の威信をかけた今回の“やり直し公判”は今年2月に開始。黒人がいなかった前回の裁判の陪審と違い、12人の陪審員の中に黒人2人が選ばれた。検察側は、前回の裁判には出廷しなかったキング氏に暴行の様子を証言させ、「被害者」としての同氏を強く陪審員に印象付けた。

公判は今月10日に結審、陪審は計40時間にわたって審議を続けた。評決は前日の16日夕に出たが、警備態勢の整う17日朝まで、公表を控えていた。

事件は91年3月の未明に発生。スピード違反で追跡を受けたキング氏が逮捕される際、警官からけられたり、警棒で殴られ、負傷した。現場近くに住む住民がこの模様をビデオに撮り、テレビで放映され、全米に衝撃を与えた。しかし地裁陪審は「暴れ回るキング氏に生命の危険を感じた」という警官側の主張を支持、意見が一致しなかったパウエル巡査の公務員権力乱用罪を除いて無罪の評決を下した。

刑事事件とは別にキング氏は警官に56回殴られたとし、市を相手取って殴打一回ごとに100万ドル、計5600万ドル(約63億円)の慰謝料を求める訴訟を起こしている。《共同通信》



4月17日 その日のできごと(何の日)