平成3078日目
1997/06/12
この日のできごと(何の日)
【 2005年万博開催地】「愛知」に決定
2005年の万国博開催国を決める博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)の総会が12日、チェコで開かれ、加盟国による無記名投票の結果、有効投票の過半数を得た日本がカナダを破り開催を決めた。国際条約に基づく博覧会が日本で開かれるのは1990年の「国際花と緑の博覧会」(大阪府)以来。21世紀初の大規模万博となる。
2005年万博は愛知県瀬戸市を候補地にした日本と、カルガリー市での開催を目指すカナダが争っていた。日本で万博が開催されるのは昭和45年の大阪万博以来5回目。会場面積や入場者数見込みでは大阪万博に次ぐ規模となる。
昨年11月に通産省が発表した日本の万博構想は「新しい地球創造」がテーマ。瀬戸市の通称「海上の森」約250ヘクタールを会場に、排出物を出さない環境重視型施設「エコ・コミュニティ」などを建設。人と自然との共生モデルを目指すとしている。
地元愛知県などは昭和63年に構想を発表。誘致のため知事が加盟国のうち16カ国を直接訪問して支持を訴えた。また投票を有利にするため日本に好意的なカンボジアやラオスなどに新規加盟を呼び掛ける多数派工作を進めた。
カナダも同様に集票作戦に乗り出した結果、加盟国が82カ国に急増したが、カナダの追い込みを振り切り、先行した日本が逃げ切った。
一方、瀬戸市の会場候補地は貴重な動植物の生息地だとして、地元では住民グループが反対運動を展開。日本自然保護協会も意見書をまとめ、加盟国政府に計画変更を訴えてきた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【池田行彦外相】在ペルー日本大使公邸占拠事件について報告
池田行彦外相は12日夕、外務省で記者会見し、ペルーの日本人大使公邸人質事件に関する同省調査委員会の報告書と関係幹部の処分を発表した。報告書は事件の反省点として、公邸を占拠したトゥパク・アマル革命運動(MRTA)の動向などペルー治安情報収集の不足や、公邸警備の盲点など落ち度があったことを認めた。
池田外相は事件の責任を取り同日、橋本龍太郎首相に辞意を表明したが、慰留されて撤回、給与の一部を返納することになった。
報告書は事件の教訓として、国際的なテロ対策の一層の推進や接受国の治安当局との情報交換など治安情報体制強化の必要性を指摘し①外務省関係各課で構成する「治安情勢評価委員会」や「通信連絡調整委員会」の新設②在外204公館全部に最低1人の警備官を配置、「警備専門官」制度の導入を検討③脅威度の高い公館の大規模行事は本省の許可を求めることにし、そのためのガイドラインを作成する―との具体的提言を盛り込んだ。
報告書は計100ページで、青木前大使ら、元人質やサウセド内相らペルー政府関係者らの事情聴取などを基に作成した。
事件発生時の現地の治安情勢について報告書は、ペルーの治安当局が、MRTAがテロ行為をする可能性があると分析していたにもかかわらず、日本大使館は「状況は著しく改善していると認識していた」と、情報収集の甘さを指摘。同時にこの情報が日本だけでなく、外国公館には一切提供されなかったことを強調し、ペルー政府の対応を暗に批判した。
MRTAが公邸の隣家から侵入したことについて「盲点になっていた」ことを認めたが、天皇誕生日祝賀レセプションを夜間に大規模な形で開催したことが事件を誘発したとの批判には「開催を問題視することは当を得ていない」と反論した。
ペルー政府が日本政府に事前通告なしに強行突入したことについては「瞬時に実施することが不可欠だった」と理解を示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は12日、官邸を訪れた「ミス観光おかやま」の名木田聖子さんからモモやマスカットなど岡山特産品をデザインしたネクタイをもらってご満悦。これを着けた首相をテレビで見たいとせがまれ、首相は「使わせてもらうよ」と笑みを浮かべながら公約したが、ネクタイを選んだ理由が「父の日」が近いためと分かり「そうか…」とがっくり。若い女性からネクタイを贈られて一瞬、有頂天になった首相に周辺は同情しきり。
○・・・新進党は五役会議で、今後の日程を協議した。西岡武夫幹事長が「明日のことを聞かれると『そんな遠い未来のことは分からない』と答えるんだ」と映画「カサブランカ」の名せりふを引用して冗談を飛ばすと、中野寛成国対委員長は「僕は昨日のことを聞かれても『そんな過去のことは忘れた』と答える。特に女性に聞かれた時にはね」と応酬。これを聞き、神崎武法総務会長は「研究してるね」と冷やかすなど和気あいあい。昨日のことは忘れ、明日のことが分からなくても新進党幹部は務まる?《共同通信》
【天皇皇后両陛下】南米訪問を終え会見
天皇、皇后両陛下は12日、立ち寄り先の米国ロサンゼルスで記者団の質問に文書で答え、南米公式訪問を終えての感想などを述べられた。
天皇陛下はブラジルについて、「民政に移り、未来に向かって大きく発展しようとしていることを感じました」と振り返り、アルゼンチンに関しては「来年修好100周年を迎える日亜両国の友好関係が一層緊密化することを願っています」と強調された。《読売新聞》
【家電リサイクル】メーカーに義務付け
通産省は12日、家電メーカーに対し、廃棄されるテレビや冷蔵庫などの処理引き受けさせ、リサイクルを義務付ける方針を明らかにした。産業構造審議会(通産相の諮問機関)の電気・電子機器リサイクル部会が17日にまとめる報告書を受けて、来年の通常国会に法案を提出する考え。
これまで販売店、地方自治体が回収、処理してきたシステムを改め、消費者がリサイクル費用を負担。販売店などを通じた回収ルートをメーカーがつくり、鉄やアルミ、銅などに分類して再利用を求める内容。家電のリサイクルシステムの確立については欧州各国でも検討が進んでいる。
通産省は「自治体が負担する廃棄家電のルートを、将来はそっくりリサイクルルートにのせる方向で立法措置が必要」(環境立地局)としている。リサイクルコストは処理方法の違いにより1台3000−1万円かると見込まれるが、製品の使用者である消費者にその負担を求めている。《共同通信》